次の年から正社員として働けることになった私は、穏やかな気持ちで過ごしていた。
ワニ先輩は約束通り、ウナギを食べにつれていってくれた。
しかも、お祝いとして、可愛いブランケットとこれまた可愛い置物をプレゼントしてくれた。
(雑貨屋でセットで売られてそうなやつ)
私は、女性としてはたくさん食べる方だと思う。
出されたものを残すことはまずない。
(苦手な食べ物はグリンピースとしいたけ)
ワニ先輩は
「思ったよりウナギ多いよね。食べるよ」
と、あたかも親切を装って、私のウナギを奪っていった。
本当は、全部食べられるのに。
プライドが高い私は、大食いであることを悟られてはいけないという無駄な見栄を張り、
「食べかけなのにすみません~」
と、本当は全部食べたい気持ちを殺して、
ウナギを差し出した。
ワニ先輩のこの「あくまで相手のためを思って」という完全なる余計なお世話は、
これから私を苦しめることになる。
ウナギは、ワニ先輩にごちそうになった。
この後ワニ先輩とはたくさん食事に行くことになるが、
おごってもらったのはこのウナギが最初で最後だった。
ちなみにワニ先輩は、2014年当事42歳(早生まれ)。
そう、私よりも20歳年上だった。
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