「うさこさん」
ワニ先輩は向き直った。
(あ、私今から告白されるんだ)
告白されるなんていつぶりだろう。
22歳の私は、これまで浮いた話がなかった。
そもそも恋愛にあまり興味がなかった。
高校生になったら彼氏の1人や2人できるのかなぁ。
………………。
大学生になればできるだろう。
…………………。
彼氏がほしかったのではなくて、ただ普通の、一般的な女性として、このままではまずいのでは?と思っていただけ。
こういうのは、中学生くらいでとっくに済ましておくことなのかもしれない。
でも、好きな人なんてそうそうできないし、できても既に彼女がいる、
たとえ彼女がいなくても、私を好いてくれる人とは限らない。
白馬の王子さまなんて、待っているだけでは永遠に現れない。
彼氏は自然にできるものではないんだ。
男女が自分の意思を出して、お互いに歩み寄らなければくっつくことはない。
ワニ先輩「年齢差はあるけど、俺と付き合ってください」
20歳年上なんて、今なら考えられないが、
ワニ先輩は大丈夫な気がする
と、経験値ゼロの私は根拠もなしに思った。
私の答えは
「はい。大好き。」
大好きって(失笑)
でも嘘ではなかった。
本当の「好き」をまだ知らなかっただけだったんだと思う。
少なくとも、私を好いてくれた、
ウナギを奢ってくれた(半分奪われたけど)
車でこうやって夜景につれてきてくれた
こんな人もう現れないかもしれない
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